小宮的色彩絵之描写法
<2>
続きです。本塗りから加工まで。
<6>彩色第2段階−本塗り
本塗り其の壱。 本塗りに来て、ようやく透明水彩絵具が登場。パレットに色を乗せて固形化して使っているので、混色は別のパレット上で行います。 ホルベインその他用・W&N用・混色用と、3つのパレットが行ったり来たりしていて、我ながらジャマです(^_^;)。 もっともあまり混色せずにガンガン塗っていくので、実質出てるのは二つ。 左の図は、背景の箱を塗った後。服にも軽く色が入ってます。 箱を塗る際、人物と周囲にはMITSUWAのマスケットインクを使ってはみ出さないようにしました。(それでも勢い余った所がありますが……) アルシュは思ったよりマスケットインク耐性がある気が。一度絵具を塗った箇所は割と綺麗に剥がれてくれました。 シートはどうしても紙に傷がつくし、端から滲んでくるので極力避けてます。 以前マスケットインク+シートで実験しましたが、やっぱり滲んできました。 |
|
本塗り其の弐。 ほぼ全体に色が塗り終わりました。 ……箱の遠近の胡乱さは目を瞑りましょう(^_^;) リボンの縁は金なのですが、水彩絵具のゴールドが今一つ薄いので、ここでは秘密兵器=ハイブリッド(ゴールド)を使ってます。 ただコレはちょっと黄色味がきついんで、取り込んだら判らなくなってしまいました。……黄土色に見えますね。 持ってる薔薇は非常に手抜きです。一番外の輪郭を描いたら、内側に水を塗って筆先につけた絵具でひょろひょろっと。そんなに大きくない花ならコレで誤魔化しOKです。 ……趣味のお絵描きで手ェ抜いてどうするんでしょうね、まったく。 |
|
で、本塗り後のアップ。 比べると解ると思いますが、肌の色には基本的にマーカーの上からは手を付けていません。 未だこのやり方でいいか試行錯誤している為です。←絵柄と塗り方のバランスの問題ですね。絵柄で言えばインクメインの方が合うんでしょうが、透明水彩の方が手軽なもんで(^_^;) アルシュは紙面がざらつくんで、綺麗なハードエッジグラデーションは難しいです。サイジングが強いから水自体があまり乗りませんし。ワトソン紙と違って味のある乗り方はするのですが。 |
<7>ハイライト&仕上げ(アナログ上)
いよいよ仕上げ段階です。 Dr.マーチンのブリードプルーフホワイトで、輪郭やら瞳のハイライトやら、修正やらを加えます。 筆は玉毛白桂。一番細い面相筆で、ブルブル腕震わしながら描いていきます。 筆先が↑で、軸部分が鉛筆位の太さの筆があれば重宝するのになぁ、と常々思うんですけど、未だにそんな便利なアイテムは出てきませんね〜。 アルシュ、ホワイトの乗りは良くないです。サイジングのせいで弾き易いんですよ。粘度の調節がかなり課題。 しかしこの大きさでは上の本塗り其の弐と大して変わらないですね(苦笑)。 |
|
ハイライトを入れた後のアップ。 少しは華やかになりましたか。 ハイライトの他に、輪郭線の内側にホワイトを入れてます。物体の区別の為ですね。 ここでアナログの作業は一段落です。 彩色だけで7〜8時間以上はかかったかな。 そう、こんな絵でもそれくらいかかってるんですよ(苦笑)。 |
<8>スキャナで取り込み
フォトショップ加工の為スキャン。通常300dpiで取り込んでます。 スキャナはCanonのCanoScan N676U。スキャナ全体の問題なのかコイツの欠点なのか、あまり鮮明に取り込んでくれません。 特に青系はなにやらくすんだ感じになりますね。青を多用しがちな私はかなり悔しい。 |
<9>加工
現在フォトショ勉強中なんで、実験がてら加工しまくり。背景なんかは最近かなり手抜きになってきました(^_^;)。 今回は雪の並木道の写真素材と青のグラデーションを使いました。 並木道は変形した後に金箔アクションを入れて、不透明度を変更。 青のグラデーションには道原かつみさんのサイトから拝借した雪トーンを、背景透明化+階調反転(白にする)+パターン化して別レイヤーに乗せた後、更に3枚くらいレイヤーを複製、ずらしたり不透明度を変えたりしてからグラデと統合しました。少しは冬場のゴージャス感が出たと思います。 保存は原画がそのまま残っているほぼ原寸のPSD形式と、ウェブ用に画像統合した72dpiのjpeg形式で2通り。 で、出来た作品がこちらです。(ここに戻る時はブラウザバックでお戻りください。) |
以上のように、私のイラストは『人物=アナログ/背景・効果=CG』という折衷型です。
私にとっては透明水彩もインクもペンもパソコンも全て『画材』。自分の表現したいものが効率良く作れるのなら、何使ったって構わない訳です。
勿論手抜きだとか言われても、そりゃ当たってるから何とも言えませんが(^_^;)
『CGも画材の一つだと言える時が早く来るといい』と誰かが仰ってましたが、その通りだと思います。
最近の風潮では、私の絵柄でアナログ絵ってのは肩身狭いんですが、このままアナログメインで描いていくつもりです。
重いページにもかかわらず見てくださった方、ありがとうございましたm(__)m。